知っていると英雄になれたファミコンの『裏技』に「雑誌の情報量が多かった」「今はネット雑誌」

《記事内容》

ネットの無い時代のゲームでは、裏技を知ることがステータスだった。今振り返ると、ほとんどがファミコン雑誌や「大技林」などで紹介されていたものばかりだったが、クラスや近所の友だちからファミコンの裏技を聞き、それを家に帰って実践するときの当時のドキドキ感はすさまじかったように思う。すなわち、誰よりも早く「裏技情報」を入手し、それを周囲に広める者はみんなの憧れの的だった。

たとえば、世界一有名な裏技とされている通称「コナミコマンド」。ファミコンソフト『グラディウス』でポーズ中に「上上下下左右左右BA」と入力することで自機ビックバイパーがパワーアップし、「ミサイル・オプション2つ・バリア」という装備の状態でプレイできるようになるというものだ。当時、これがどこから入手された情報かは分からなかったが、筆者は同じく『グラディウス』を持つ友人からこのコマンドを聞き、半信半疑で試してみて相当感激したことを覚えている。

なお「コナミコマンド」はその後のコナミ作品にも使われるようになったが、スーパーファミコン『グラディウスIII』では「上上下下左右左右BA」を入力することでポーズ解除とともに自爆をしてしまう。すでに日本中に浸透した「裏技」を逆手に取ったジョークだった。
■実践はまた別問題…難しめの裏技も

このように、ファミコンやスーパーファミコンの時代では、子どもから子どもへゲームの裏技が広がっていった。超有名な例でいえば『スーパーマリオブラザーズ』での「無限増殖」もそうだろう。

天井裏のルートを通って隠し土管からステージをワープするという抜け技や、画面最上部のコインを使ってマリオの股間を光らせるというギャグ的な遊び技や、小さなマリオのままでファイアを打つ「ミニファイアマリオ」まで、誰もが持っていた人気ソフトだけあり細かい裏技がいくつも広まっていた。そして『スーパーマリオ』をたまに友人宅でプレイをすると「これ知ってる?」といった具合に「裏技お披露目会」をする流れになるのも「ファミコンあるある」のひとつだろう。

その中で華麗に実践することで周囲から羨望の眼差しを受けることができたのが「無限増殖」。これは「ワールド3-1」など階段上からノコノコが降りてくるステージで使える技で、ノコノコを踏んで蹴飛ばさず、そのまま跳ね返ってきた甲羅をリズムよく踏み続けることでポイントが倍々に増えていき、8000点を超えた次のジャンプから連続で「1UP」していくというものだ。

理屈では分かっていてもタイミングが非常にシビア。そのため連続でポイントを重ねるのは至難の業で、「無限増殖」はおろか5UPすらも難しかった。今であればYouTubeで実況プレイなどで、この裏技の爽快感を簡単に目の当たりにできるが、当時友人宅で実際に見せてもらったときの感動はすさまじかった
■最強状態でスタートできる「パスワード」の数々

『ドラゴンクエスト』シリーズに代表されるふっかつのじゅもん。これらの「最強パスワード」を知っている者も子どもたちのヒーローだった。

最も有名なのは、『ドラゴンクエストII』の「もょもと」だろうか。「ゆうて いみや おうきむ こうほ りいゆ」から始まる復活の呪文を入力するとレベル48で莫大な所持金を持って、今で言う「強くてニューゲーム」状態で冒険をスタートすることができるという裏技だ。ちなみに「もょもと」とは、この裏技を使った際のローレシアの王子の名前だ。

パスワードシステムの特徴であり面白いのは、友だちのデータも使えるということだろう。上手い人にパスワードを教えてもらえば、上手い人の進めた時点から始めることができるのだ。なおこの「ゆうて いみや おうきむ」は『ドラクエ』のスタッフである堀井雄二氏や鳥山明氏の名前をつなげ、最後に「ぺ」を27文字打つというもの。実に不思議な文字列だが、またたく間に日本中に伝わり、当時はまさに「呪文」のようなこの言葉を多くの子どもたちが暗記していた。

似た例で言うと、ファミコン『桃太郎伝説』の最強パスワード「ふ」。これはパスワード入力画面で「ふ」と1文字だけ入力することで、レベル45(段)の状態からスタートできるというもの。現在では派生作品である『桃太郎電鉄』のほうが有名になってしまったが、ファミコン時代の名作RPGのひとつ『桃伝』。難易度が高めのため、クリアできなかったが、この「ふ」でラストダンジョンだけ攻略したという人も多かったのではないだろうか。

いったいどこから入手した裏技情報なのか……。どこからともなくやってくるこれらの噂に、当時は心を躍らせたものだ。それはネットの無い時代ならではの楽しみ方だったと言えるだろう。

詳細内容(出典:ふたまん+様)


ネットでの反応

ネットは無かったけどその分雑誌が発達してた時代で、当時のパソコンも含むゲーム雑誌の情報量と情報の精度は凄まじかったし、あとゲーム雑誌以外のジャンルの雑誌もゲーム情報をガンガン挟んで来てて、こちらはゲーム会社と直接の繋がりが無い為か規制が無く、ゲーム雑誌なら載せれない際どい情報もガンガン載せていた。
だから今のネットほど情報は速くないにせよ情報ソースは沢山あったし、またそういった雑誌を扱う本屋の数も今より沢山あって、また食堂や散髪屋や喫茶店とか本屋以外でも雑誌をタダで見れる場所が沢山あったりして、ネットが無いからってそんな不便な社会ではなかったよ。
ファミマガのウル技・ウソ技を楽しみにしていた世代。たくさんのソフトが発売されてた時期は、自分が買ったソフトの裏技が紹介されてるとそれだけで嬉しかったものです。いまはネット記事があり、速報性高くて簡単に知れるので驚くことも少なくなりましたが、昔は新聞記事の切り抜きのように大事にしたものです。懐かしいね。
いわゆる「裏技」はバグによるもの、開発者が仕込んだテスト用などいろいろな出自がありますが、裏技の存在自体が当たり前になって専門誌にコーナーが設けられるようになると、プロモーションの一環として仕込むケースも少なくなかったと思います。
私も開発者時代、パスワードに自分の名前を入力すると、とあるテストモードが起動するという機能を仕込んだ事があります。だってファミ通に名前を載せたかったんだもん(笑)。
友達から聞いて家に帰って実践、確かに楽しみだった時代だが、私の時代はもっと昔のゲーセン時代。家にゲームは無いので、どこのゲーセンに新しいゲームが入荷していたか、裏技など自分の目で他人の操作を盗み観て足とお金で探っていた時代でした。友達に自慢したり、ゲーセンマップを作ったり、攻略本を自分で作成したり。ドキドキ感は一緒でした。
友人のお兄ちゃんじゃないと成功しなかった裏技、六三四の剣の無敵。先にハイドライドスペシャルを一度起動させて、電源入れっぱなしで強引にFC本体から引き抜き、六三四の剣をセットして…と激しい行程を今でも覚えている。あれは何だったんだろう…。

隠しコマンド等の開発側による遊び心は素敵ですよね!

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